冬虫夏草は昆虫の幼虫に寄生するきのことして知られています。古くは中国の本草学書『本草綱目』（李時珍；1523〜1596）にも「蝉花」として記載され滋養強壮に良いとされています。広義の冬虫夏草菌は数千種とも言われ、天然物はほとんど入手が困難で人工栽培されたものが流通しています。コルジセピンという特有の成分の他にマンニトール、エルゴステロール、デオキシアデノシンなどを含み機能性に関する報告がされています。栽培に使用される材料や栽培される菌の種類によって含まれる成分の量に差が出ることから、信頼のおけるものを利用することが重要です。

南九州大学食品開発科学科教授
吉本博明・博士（農学）